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ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

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御礼文でヤンデレだらけ




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カイトとグミでいいにゃんにゃんの日な文
ほのぼの日常まったり
我が家のグミちゃんは電波かもしれない





「おや、おやおやおや?」

グミがコンビニから戻ってくると、先ほどまで窓際で昼寝をしていたカイトの姿が消えていた。

「ありゃ、もうちょい寝るって思ったんだけど、読み間違えたかー」

一緒に昼寝をして、珍しくカイトより早く起きたグミは、驚かせてやろうとコンビニまでアイスを買いに行っていたのだ。
しかし肝心のカイトが起きてしまったら意味はない。どうしたものかと考えつつ、とりあえず最初の予定通りアイスを食べてしまおうとビニール袋をあさりながら先ほどまで自分が寝ていた場所に座る。
二人で適当に被っていたブランケットは、コンビニに行く時にカイトにかけておいたのだが、それも今は床に丸まっているだけだ。
なんとなく面白くなく、グミはブランケットを自分の膝の上まで乱暴に引っ張る。
すると、もごもごとブランケットが生き物のようにうごめいた。

「な、なにごと…?」

しっかりと触ると、ブランケットの内側にやわらかな感触。
そのまま膝の上で丸まったブランケットを開いていくと、真っ青な瞳と鉢合わせた。
にゃぉん、と可愛らしい声。

「ねこ…?」

もごもごと絡まる布から抜け出そうと、青い瞳の猫がもがく。あわてて助けてやると、黒い毛なみのしなやかな体はするりと床の上に降り立った。
じっと、グミと猫は見つめあう。

「…このうち、ねこいたっけ?」

一匹との沈黙に耐え切れずグミがそう漏らすと、猫の方はゆっくりとグミの元へやってくる。
人に慣れているなぁなどと考えていると、かさりとビニール袋が音をたてた。
見れば、猫は袋の中に潜りこもうと奮闘していた。

「中身が気になるのかい?アイスくらいしか入ってないけどなぁ」

それが聞こえているのかいないのか、そもそも聞こえていても言葉を理解できるのかもわからないが、猫はただひたすらアイスの入った袋と戦っている。
その姿を見るうちに、グミはあることに気づいた。そういえばさっき寝ていた人はどこに行ったのか。

「もしかして、キミはカイトくん?」

にゃあ、と答えるように黒猫がなく。
グミの顔がみるみるうちに楽しそうなものになり、ガシリと猫の柔らかい体を掴んだ。

「カイトくん!よくもまぁこんなかわいい姿にっ!でもわたし気づいてたよちゃんとっ!だってそんなアイスにがっつくのってカイトくんぐらいだもんねっ!」

うりうりと頭を撫でてやれば、青い瞳を細めてにゃあとなく。
よくよく見ればこの青色なんてまさしくカイトと同じ色で、こいつは不思議で面白い、とグミは笑い声をもらす。

「でもどうしてそんなことに?かわいいけどみんなは気づかないかもねー。わたしのとこ来ちゃえば?」

ひとまず膝の上において、袋の中からアイスを出す。猫がアイスを食べていいのかよくわからなかったが、果汁を氷のように凍らせたものなら大丈夫だろうと氷の粒をいくつか手にのせた。
少し溶けかけたそれを差し出してやれば、待ってましたと言わんばかりに、ざらついた舌がぺろりと舐める。
それが少しくすぐったい気がしてグミが笑うと、不思議そうな青色がグミを見つめる。

「いいよいいよ、気にしないで!でもカイトくん、食べすぎ注意だよ?ねこになったら正露丸も効くかわかんないしお腹こわしたら大変かも」

大丈夫とでも言うようににゃあと一鳴きして、手に乗っていた氷の粒を全部食べてしまう。
催促するような瞳に、しらないよー?と笑いを返して、再びいくつか取り出す。
機嫌良く黒いしっぽを揺らしながらそれを食べる可愛らしい姿を見て、グミはやはり笑顔が抑えきれない。
自分もいくつかかじりながら、のんびりとした時間をすごす。

「やっぱカイトくん連れて帰っちゃおうかなぁ。いいよね、きっとあっちのみんなも喜ぶ喜ぶ」

それが聞こえたのか、アイスに夢中だった瞳がグミに向けられる。
きょとんとしたような顔にまた頬が緩むのを感じると、その隙を縫うように黒い体をくるりと反転させた。

「んー?やっぱカイトくんもわたしんち来たいってこと?うれしいなぁ」

わずかに空いていたドアから部屋を出てしまった猫の姿を追ってグミも立ち上がる。
溶けた果汁で濡れた手をくっつけないようブランケットを適当にたたみ、残りのアイスが入ったビニール袋を持ってドアを開け廊下に出ると、タイミングよく玄関のドアが開いた。
見れば、玄関に小さな黒い姿があり、思わずグミはカイトくん、とその名前を呼ぶ。

「ん?」

しかしそれに返事をしたのは可愛らしい声ではなく、聞き慣れた、優しい音をした声。
ドアの向こうに見えた青色にグミが気をとられると、小さな体はするりとドアの向こうに駆けてしまった。

「ああっ!カイトくん!」
「え、うん、俺だけど、グミどうしたの?」

さっきから名前を呼ばれていることに戸惑い、玄関から動かないまま、不思議そうな青い瞳がグミを見ている。
そのカイトの姿がようやく目に入ったのか、グミはえっ、と声をつまらせる。

「カイトくん、今外に逃げて行ったのに…?」
「え…?ごめん、なんかよくわかんないけど、俺今戻ってきたよ?」
「んー…?さっきのは確かにカイトくんだったけど、もう人に戻っちゃったの?」
「えっ、えっ?」

数秒悩み、まぁいいや、とグミは結論を出して頭にはてなマークを浮かべているカイトの元へ行き、腕を掴む。

「まぁ、ねこだろうが人だろうがカイトくんならいいよね!じゃあ早く行こうかっ!」
「どこに?」
「どこって、さっきわたしの家来るって言ってたじゃーん」

にこりと笑うグミに、まだ不思議そうな顔をしていたものの、観念したようにカイトは苦笑いをする。

「もしかしてグミ怒ってる?」
「ん?なんで?」
「だって昼寝してたのに俺一人でアイス買いに行っちゃったし」

トイレかなんかでまたすぐ寝ちゃうかなぁと思ってたんだけど、と言い訳のように手にしていた袋を掲げる。
かさりと音をたてたのは、先ほどまでグミが持っているのと同じコンビニの袋だ。
それに気づくと、グミは自分の顔がほてるのを感じた。なんとなく言葉にしづらく、かさかさと袋を鳴らせば、カイトの笑い声が聞こえる。

「一緒に食べない?」
「食べる!さっきも食べたけど、食べるよ!」
「お腹壊さないようにね」
「カイトくんこそー」

いや俺は、と言葉を返そうとしたカイトだが、それを一度飲み込んで新しく声を紡いだ。

「その話も聞かせてよ」
「もちろんいいよ!」
















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ある意味ベタなねこネタ!
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