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ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

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ネタバレは特にないはずですが微妙な感じです

某お化けをカメラで封印する的なゲームの3作目ぱろです

本当は2作目の方をやろうと思っていたのですが、書こうとした時に雪が降り始めたのでこちらを。


パロというか正直、兄さんが痛がってるだけな気がしますってかまさにそうだ





夢から覚め、瞼を開けると見慣れない天井が目に入る。
ぼやけた頭で記憶を漁ると、ここはミク達の家で、ソファを借りていた事を思い出した。
上半身を起こし、カーテンに目をやると隙間から見える雨。ここ何日も、雨が続いている。
先程までのあまりにもリアルな夢のせいで眠った感覚もないが、そんな事も今ではカイトの日常に馴染み始めていた。

静かに雪の降る屋敷。
夥しい数の墓標も、深紅の紙人形が打ち付けられた枯木も、気味の悪いはずのそれらを雪が薄く隠してどこか美しい景色へと変貌させる。
数日前までは覚えてられなかった夢の中の景色。それを今覚えているということは、あの夢に近付いている、ということなのだろうか。
追い続けるあの人の影も、一昨日より昨日、昨日より今日、と近付いているような気がしている。
この夢の先には破滅が待つ事を理解しているはずなのに、カイトは無意識に夢の続きを追いかけようとしている自分に気付いた。
頭を振って、後ろ向きな思考を追い払う。
夢に囚われているのは、カイトだけではない。なんとしてでも夢から逃れる方法を見付けなければいけないのだ。

ミクとネルが起きてくるまで文献の整理でもしようとソファに座り直し、正面にある足の低いテーブルに積まれた本を読み始める。
既に何度も読んだものだが、先程の夢の記憶と照らし合わせて、なにか新たにひっかかる事がないか、確認するためだ。
ボロボロになりちぎれそうな頁をしばらくめくると、不意に右腕に激痛が走る。

「ぐっ……!」

肩から延びる、熱を伴う痛みに服の袖を捲り上げると、濃紺の紋様がその下に広がっていた。
刺すような痛みと共にじりじりと侵食する紺色に、耐えきれず腕を強く押さえこむ。
しかし、押さえたところでその動きが止まることはなく、強く掴んだ箇所を越えて紋様はカイトの肌に刻まれていく。
痛みのあまり、視界に映る世界に赤い亀裂が入る。体の中心が右腕になったかのようにじぐじぐと心音に呼応し、頭の中がめちゃくちゃになる。
皮膚の上から痛みを与えられるのではなく、腕の、骨の内側から肉や筋を針で突き破り、ぐりぐりと皮膚の真下から引っ掻かれる感覚。
その痛みの軌跡が、濃紺の痕として残っているような錯覚。
みっともなく悲鳴を上げる事もできず、ただただ歯をきつく食いしばる。
痛みの塊となった腕に目を見開き、痛みに脳が焼き切れるのではというところで、それは中指の先まで到達し、ようやく止まった。

「……っは、ぁ、」

唐突に痛みから開放され、忘れていた呼吸を取り戻す。
痛みのあまり爪を立てて掴んでいた腕をはがし、強い疲労感と共にソファに倒れ込んだ。額から生温い汗が滑り落ち、その感覚に寒気を覚える。
しばらく呼吸を繰り返していると、篭っていた熱も散り、ようやく腕を自分の顔の前で持ち上げた。
腕には先程の痛みが現実である事を示すように、濃紺の紋様が全体に刻み込まれていた。

「なん、だよ…これ」

蛇や、なにかの植物を象ったようなその紋様は、カイトには見覚えがあった。
記憶は、雪の降る屋敷へと繋がっていく。

「あれと、同じ、?」

雪が降る屋敷の中、軋む床を鳴らし、追いかけてくる影。
赤い刺青を全身に刻み、血に濡れたような女性。
昨夜の夢でカイトを掴んだ、その腕にあった紋様。
今、カイトの腕に刻まれたそれは同じものだと、直感がそう告げている。

「なんなんだよ、いったい…」

行き場のない不安を口に出してみるも、どこからか返答があるはずもなく。

「………    」

呟いた大切な名前は、雨音に砕かれ、どこにも反響することなく消えていった。












どこをやろうかと悩んだ結果がこれですよ!
プレイヤーキャラのポジションはミクネルカイトの3人で、零華さんは姉さんのイメージで。
姉さんに青い刺青はなぁって事で赤にしたんですけど、あれが赤だったら確実に傷痕にしか見えないですよね。まぁ、刺青も傷痕といえば傷痕ですが。

とりあえず痛がってる兄さんが書けてまんぞkry

大切な名前はご想像にお任せしますね

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