忍者ブログ
ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

誤字等気になることがあり
ましたら是非ポチっと。只今、
御礼文でヤンデレだらけ




[30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [24]  [22]  [20]  [16]  [19]  [18
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



カイト←メイコでヤンデレ風味第三弾
繋がってはいないです。


微グロ?ちょっと痛い、かも。ので苦手な人は回避してください。





だめ。もう終わってしまう。だからはやく、急がなくちゃ。
走って走って、やっとカイトの部屋にたどり着く。私のレッスンで最後だったからカイトはもう部屋にいるはず。
いなかったらどうしよう。そのときは諦めるしかない。そう思ってカイトの部屋のドアを開ければ、
「メイコ、どうしたの?」
キョトンとした顔でこっちを見るカイトに返事をしないでそのまま向かっていって、
胡座をかいてベットに座っていたカイトを押し倒して仰向けになった上に乗っかる。こいつ、本当に細いわね。
「カイト、お願いがあるんだけど。」
「へ?なに、ちょっと、え、」
「きいてくれる?」
あらら顔が真っ赤。なんだか勘違いをしてそう。まさか私があんたや家族に手を出すわけないでしょう。
ちょっと目が泳いだ後、いいけど、とこっちを見た。
さすが私の弟。最後の最期までいいやつ。

「私、今アンインストールされてるの。だから、」
「え?待って、それ嘘でしょ?」
「嘘じゃない。残念だけど。」

私が軽く左腕を振ると、腕は肩からごっそりと抜け落ちてカイトの首のあたりに転がる。
驚愕と恐怖に染まった目の中に私が映ってる。綺麗な青。

「だから、最期に一個だけお願い。私と腕、交換しよう?」
「なに、言、って、、」
返事を待ってる暇はない。このやり取りのうちにどんどんデータが消されているんだから。
左足でカイトの左肩を押さえて、左腕を持って、おもいっきり引っ張ると、ビリっ、と多分私達の皮膚の役割をしているものが破れた音がした。そこから筋肉代わりのコードがのぞいてくる。
だけどそれだけで、腕は取れてくれない。やっぱり消えかけの私の腕より取れにくいみたい。
しょうがないから、左足で皮膚が破れたところを強く踏んで固定して、また全力でひっぱる。
すこし取れそうに動いたけど、まだとれない。なんてもどかしい。
そこでなんだか辺りがうるさいのに気付く。聴覚もうまく聞こえなくなってきた。
「ガアアアッ、アアア、グッ、ア」
カイトの叫び声。どうしてこんなに叫ぶのかと思えば、そうだ、痛覚というものがあったっけ。
苦しそうに、痛そうに部屋中に響く声。こんな声じゃなんの音だかわからない。それともちょっと前の私なら聞き取れていたかしらね。
痛みのあまり目から涙がでているカイトはちょっとかわいそうだった。

「ごめんね、カイト。痛い?」
「ぃい、たい、から、おねが、も、やめ、」
「だめよ。だってカイトは私のお願いを聞いてくれるってさっき言ったでしょう?」

なるべく早くとっちゃうから、カイトも暴れるのやめてね。手間取っちゃう。
そう言ってから、息を吐いて、吸って、足に腕に力をこめて、カイトの左腕をひっぱる。

「っあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「暴れないでってば。」

ズルリと引きずりでてきたのは神経系統のコードだったのかもしれない。
カイトはさっきより激しく暴れて、左足一本で押さえるのが大変だった。
だけどもう殆ど腕はとれてきて、あと残るは骨みたいなしんのところと、もうのびきってるコードだけ。
カイトはさっきので暴れ疲れたのかぐったりして動かない。このうちに足を肩と腕の間のコードあたりにおもいっきり踏み下ろすと、バギンという金属が折れる音がして、それに合わせるようにカイトが大きく痙攣した。
あとはコードだけ、と今度はカイトの胸のあたりに跨がって、コードを掴む。
やっぱり神経のコードも混じってるのか、そのコードに爪をたてられるのが嫌らしく、また叫び声をあげているみたいだった。もう聞こえないけど、すごく暴れてるのと口が大きくあいているのでなんとなくわかる。
痛そうだけど、これを外さなくちゃ腕の交換なんてできないんだから、我慢してもらうことにして、コードに爪をたててひきちぎる。
また何か大きい音が聞こえたけどわからない。

「カイトー、とれたよー?」

カイトの左腕をぶらぶらと目の前に持ってって見せてあげる。カイトはなんだかよくわかんないけどすごい泣いていて、何かをいおうとしてた。
だけど声がちいさくって、あんまり聞こえないから後回し。さきに私の腕をくっつけちゃおう。
だけど断面を合わせてもくっついてくれない。
しょうがないから細くて赤い色をした神経コードを両方の断面から引っ張ってきて、ちょうちょ結びをした。片手でやるのは大変だったけど、これなら大丈夫でしょ。
私の方も同じことをして、これでできあがり。

「できたわよ。ほら、見て!!」

カイトの腕はあまりきれいにとれなかったからくっつけたところもいまいちだけど、でも元がかなり綺麗だからこれでくらいで調度いいのかも。

「…ィコ、んで…こんなこ、と…………」
カイトが途切れ途切れにそんのことを聞く。そんなの単純なこと。

「だって、好きなんだもの。カイトのこと。」

ほら、ボタン交換したりアドレス交換したりするでしょ?最期にあれがやりたかったんだけど、私もカイトもボタンの服なんてあんまり持ってないし、アドレスだって必要ない。じゃあ腕にしようって思って。でもね、ほら、うまくいったでしょう?
つぎはぎされた腕をさわると、愛おしさがこみあげてくる。

「多分私から離れてればその腕はアンインストールされないから大丈夫。それに同じ型だから修復プログラムも働くと思うわ。だから、カイトも、ミク達と元気で。さよなら。」
「メ、イコ………」

最期に貰った言葉が私の名前でよかった。
カイトに好きって言われなくてもいい。言ってほしいけど。
でも、カイトはきっともう私の事を忘れることはできないでしょう。
白くなる視界の中で、カイトの左腕の、私の赤いマニキュアが見える。
それだけで、もう充分。





-------
だんだん兄さんへの被害が大きくなってますが、愛故にです。


PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ [PR]