ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
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カイトとレン
今日は暑い。
この前まで季節を間違えてるんじゃないかってぐらい寒かったのに、
今日は季節を間違えてるんじゃないかってぐらい暑い。
VOCALOIDという、言ってしまえば機械の俺だってこの温度差はへばる。
こんな日には、カイトにぃじゃないけど俺だってアイスが食べたくなって、
近くのコンビニまでアイスを買いに行っていた。
その帰り道。
あまりの暑さにアイスが溶けそうな気がしたから結局食べながら歩いていると、
半袖短パンの俺でも十分暑いのに、コート着てマフラーまできっちり付けたカイトにぃが
道の先の十字路であやしいおどりを踊っていた。正直近付きたくない。
だけど帰るにはこの道を通るしかないから、
気付かれないようにそーっと、なおかつ自然にカイトにぃの後ろを通り抜ける。
「あ、レン。」
失敗した。
「どうしたの?こんな暑いのに。ってああ、アイス買いに行ってたのか。」
どうしたのって、それは俺の方が言いたいセリフだと思う。
そんな俺の視線に気付いたらしい。
「そこの電信柱の裏に子猫が隠れてるんだよ。怪我してるみたいだから、なんとかしたいなあと思ってさ。」
気を引こうとしてるんだけどなかなか来てくれなくてー、と苦笑いするカイトにぃ。
よかった。ホントにバグったりしたわけじゃないらしい。
もし常にあんな動きをするようなバグにカイトにぃが引っ掛かったら大変だ。
だって俺、そんな人と歌いたくないし。
「怪我してるんだったら、こうすればいいじゃん。」
すばやく電信柱の裏に回り込むと、カイトにぃの言った通り足に怪我をした猫がいた。
俺を見てびびった猫は逃げ出そうとしたけど、その前に抱え上げる。捕獲完了。
「おぉ、すごいねレン。」
カイトにぃが感心したように、ホントに目を丸くして言う。
まったく思い付かなかったらしい。
カイトにぃはなんか抜けてるんだよなぁ。ミクねぇほどじゃないけど。
「じゃあもう帰ろうよカイトにぃ。俺もう暑い。」
「そうだね。あ、レン、子猫俺が抱いてくよ。早く食べないとアイス溶けるぞ?」
「いいよ別に、大丈夫だから。」
この猫、見た目と反してなかなか力が強い。
カイトにぃに渡したらきっと逃げられる。
暴れるのを押さえ込むのは俺やリンならできるだろうけど、カイトにぃじゃきっと無理。
「そう…じゃあアイス持とうか?」
「それじゃ俺アイス食べれないじゃん。」
「食べさせてあげるから大丈夫大丈夫。」
なにが大丈夫か。すっごい笑顔でこの人、きっと自分で食べる気満々だ。
しかも食べさせてあげるって……俺一応14歳設定なんだけど。
とかやってるうちにアイスを持ってかれ、ひょいと一口食べられた。
猫で片手が塞がってるから簡単にとられた俺のアイス。レモンソーダ味。105円。
あーおいしい、とか言ってるカイトにぃを置いてダッシュで家に走る。
俺のレモンをとった罪は重い。さっさと帰って鍵かけて、締め出してやれ。
ちょっとだけ振り返って、きょとんとしてるカイトにぃにあっかんべーして、猫を抱えたまま走る。
締め出されてわーわー言うカイトにぃを見るのが楽しみだ。
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気付けばここのカイト、まだまともに家にいない。
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