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ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

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眠気が天元突破したのでこねた

マフィア兄さん




銃声が一発

その音を境に先程までぶざまに響いていた声がプツリと止まった。
ゆるく煙をあげる拳銃を握るのは黒いスーツに身を包んだ青い髪の青年。その瞳は自分の意思で刈り取った命の残骸をただ見つめていた。
彼の両脇には同じく黒スーツを着た黄色髪の子供が、先程の銃声に怯えることなく佇んでいる。

じわりと這い進む液体が青年の足元に触れようかというとき、ようやく青年は人であったそれから視線を移し、なにごともなかったかのように部屋の外へと歩きだす。
それに付き従うように子供も後に続き、簡素な部屋から出ると外に待機していた黒服に残骸の処理をするよう告げて、迷いなく歩く青年の後を追う。
しばらく廊下を進んだ後、青年の自室であろう部屋の前に着くと、彼は振り返ってやっと言葉を口にする。

「鏡音、ついてくるのか?」

その問いに子供が返すのは単純な言葉だ。

「もちろんですボス」
「あなたの望みの限り」

それを聞いた青年は、そうか、と目を細めてから扉を開けて部屋に入る。
続く子供が扉を閉め鍵をかけると、ちょうど彼がベッドにぼふりと倒れ込んだ。

「リン、レン、もう普通にしゃべっていいよ」
「はーい」
「わかった」

青年の言葉に、子供から先程の人形のような気配が消え、歳相応の空気が滲み出てきた。
また、青年も緊張が溶けたかのようにごろりごろりとベッドでさらに転がる。
そんな彼と対象的に立ち続けるリンとレンに、青年は軽く問いかける。

「リン達、なんかいいたいことあるだろ?顔に出てる」
「あぁ、ばれた?」
「なら聞いちゃうけど、カイトにぃってさ、なんで裏切り者の処刑の時、わざわざ自分でやるの?ボスなのにー。私達に任せればいいのにー。」
「そうそう。カイトにぃが直々に手を下してくれるからって、わざわざ裏切る馬鹿もいるんだけど?」

妹達の言葉に、カイトはクスクスと笑いながら、応えを紡ぐ。

「んー、だってさ、簡単なことだよ」
「なになに?」
「なんだよ?」

「俺がやったほうが、俺が楽しめるだろ?」


悪趣味だとぼやく弟の声は、上機嫌な彼の兄の鼻歌にまぎれて消えていった。


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