ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
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イロモノ企画その2
メイコが天邪鬼
そろそろ日が沈み始めた時間
いつも通りに帰宅。今日はミク達遅いんだっけ。鍵は、と。よし、ちゃんと持ってる。さてと、早くアイスたべよっと。
カチャリ
俺は数年振りに姉さんと再開した。
「メ、メイコ?!」
「ふぇ?」
リビングを開けると、テレビの前にねっころがりポテチ(たしか昨日レンが買ってきてた)を食べる茶髪の女の人。
ゴシゴシと目を擦って、それでも消えないその人は、なにか違和感があるが、確かにメイコだった。
数年前ふらりとどこかに消えた姉。家出か誘拐か犯罪かと、ミク達と必死に捜したが結局見つからなかったメイコが、なんとまぁ普通にリビングいるじゃないか!!
「メイコおおお!!おかえり、おかえりっ!!!!俺達すっごい心配したんだぞっ?!」
ああ、くそ、なんか泣けてきた。しかも思わず駆け寄ってしまったよ。
ポテチを置いて立ち上がったメイコは申し訳なさそうな風でもなく、どこか照れ臭そうな笑顔で言った。
「カイト、帰れ!!」
そう、笑顔で言ったんだよ。
こんな言葉を、笑顔で!
俺の家なのにってそれは違うね。メイコも住んでたよ。ああ現実から逃げたいなぁー
俺が固まっているのを尻目にメイコがまた口を開く。
「心配してくれて本当、迷惑。私は今まで全然心配してなかったわ。でもカイトはおっちょこちょいでヘタレで、ミク達よりできないことだらけだから、家を崩壊させてて本当に最悪!!」
笑顔、笑顔なんですよ?この言葉の間全部。
あははははははー、ははははは、は、ははは……
虚しい。
素敵にザクザク心を刻んでくださる。なんだ、俺、なんかやったか、メイコさん。
するとメイコが俺の顔を見て、流石に言い過ぎたとでも思ったのか、失敗したーって大文字で書いたような顔になる。
「そ、そうなのよカイト!!今の通りなの!!なんか私、神隠しに合わないで、そうしたら天邪鬼から人になってて。だからさっきのを全部そのまんまにして!」
「へ、天邪鬼?」
聞き慣れない単語だ。
「天邪鬼って、言うことが正反対の?」
「違う違う!!」
文字や音からすれば天邪鬼じゃないと言ってるが、顔はその通り天邪鬼なんですって顔だ。
どんな顔だよ、と言われれば、ひまわりみたいな笑顔。これは本当だろう?
で、本当に天邪鬼かどうかは置いといて、反対にしろってことだから、カイト帰れ!!はもしやカイトおかえり!!で?次のは…
………うわあ、うれしい。ちょっとうれしいよ俺。
俺がメイコの言葉を理解したのに気付いたのか、メイコの笑顔がさらに明るくなる。
「カイト、会いたくなかった!大っ嫌い!!」
ぎゅっと抱きしめられる。
そこで気付いたのは、メイコの身長が低いってこと。
まるでメイコがいなくなった時から成長してないみたいに。
でもまあ、ごちゃごちゃしてそうな事は置いておこう。
今は素直な気持ちを表現しようじゃないか。
俺は、今のメイコ風に言えば、大っ嫌いな家族の帰還を嘆く。
「帰って来て本当迷惑だよ、もう大嫌いだ!!」
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天邪鬼はむつかしいですね。
でも台詞考えるのがとても楽しかったです!
ネタ提供ありがとうございました!!
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