ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
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ミク誕生日おめでとぉおおお!
な文章
ミクがいなけりゃボカロに嵌まってなかったと思うので、
やはり祝わないわけにはいきませんよ!
ふぅ、と息をはいて、マンションのエレベーターに乗る。
今日は私の誕生日で、いろんな人からおめでとうって言ってもらえたし、
マスター達がたくさん歌をくれて、たくさん歌わせてくれたからすっごい楽しかった。
疲れたけど、なんだか嬉しい気持ち。
誕生日がこんなに楽しいなら、毎日が誕生日ならいいのに!
この前のお兄ちゃんの誕生日で、お兄ちゃんはずっとにこにこしてたけど、私もきっと今そんな顔なんだろうなあ。
エレベーターがカタンと開いて、私は貰ったプレゼントを抱えておりる。
家が見えると、ちょこっとだけ申し訳なく思った。
お兄ちゃんの誕生日の時は、みんなお仕事があったけど夜には家に集まって、いっぱい騒いでいっぱい遊んだのに、今日は私は一日中仕事が入っちゃって、まだ家族の誰とも話してない。
それにもうこんな時間だから、リンとレンは明日も早いし寝ちゃったかもしれない。そう思うとちょっと悲しくなる。
それでも、ドアを開けたらみんながいて、にこにこで「誕生日おめでとう!」って言ってくれるんじゃないかな、なんてドキドキしながらドアを開ける。
「ただいまー」
パンパンパパンっ!
というクラッカーの音もなく、ドアを開けるといつもより暗い廊下。電気が消してあるからだ。
予想と違ったから、ずいぶんと気持ちがしょんぼりになっちゃった感じがする。
それにこんなに暗いんだから、みんな寝ちゃったのかも。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、リンもレンも、私の誕生日なんてすっかり忘れちゃったんだきっと。
なんだか涙がでてきた。誕生日なのに。
とぼとぼ家に入って、鍵を閉めて靴を脱ぐ。
祝ってもらえないのが悲しくて、忘れられたことがムカついて、もうなにがなんだかわからない。
はぁ、と溜息をついて、とりあえず貰ったネギを冷蔵庫に入れようとリビングへと歩くと、微かに歌が聞こえた。
「え…だれか、起きてるの?」
歌はリビングから。
そろそろと歩いてリビングを覗いてみると、みんながパソコンの前で何かやってるみたいだった。
(楽しそうだなあ…)
なんとなく声をかけにくくて、そのまま覗いていたら、急にリンが振り向いて、私とバッチリ目が合った。
「ミクねぇ、もう帰ってきたの?!今何時?!」
「え、なに、ミク帰って来ちゃったの?」
「あー、もう9月1日じゃんか!」
「どうしよう、まだ終わってないよ!」
口々に叫ぶみんなはすごく焦ってて、なんだか、帰ってきちゃだめだったみたいで。
「…う うぅ……」
すごくすごく、悲しかった。
「ちょ、ミク?!どうした?!」
「だ、だって…みんな、」
「うん、俺達が?」
「わたしが、私が帰って、きた、のがっ、嫌みたいに、言う、から…」
泣いてるせいでおかしな声になってるのがまた悲しくて、涙が出てくる。
「ミクねぇ…ごめんね」
「…え?」
俯いていた顔を上げると、リンが申し訳なさそうに私を見ていた。
「あのね、ミクねぇに帰って来て欲しくなかったんじゃなくて、ミクねぇにプレゼントするのがまだ出来てなくて…」
「それで焦ってあんなこと言っちゃったんだ。ごめん、ミクねぇ。」
「それで、プレゼントなんだけどね、ミク。」
お姉ちゃんがおいでおいでをするから、まだぐずぐずする鼻のままパソコンを覗く。そこには、
「これは、楽譜?」
「その通り」
お姉ちゃんはにっこり笑った。
「レンの提案で、みんなでミクに歌を作ってプレゼントしようってなったんだけど、これがすっごい難しくて、まだ完成してないのよ」
「うた…歌?お姉ちゃん達、歌を作ってるの?すごい!それってすごいよ!」
「まだ完成してないんだけどね」
完成した曲をミクにあげたかったんだけど、とお兄ちゃんが苦笑いをした。
でも私は、みんなが頑張ってプレゼントを用意してくれたことがすっごく、すっごく嬉しかった!
「お兄ちゃん、この歌もらっていい?」
「え?!でもそれ、未完成なんだよ」
「でも、欲しいの…お姉ちゃん、歌ってもいい?」
「ミクにあげる歌なんだから、ミクの好きにすればいいと思うわ」
「ありがとう!それではさっそく…」
すぅ、と息を吸い込んだら「ちょっとまったあ!」ってリンが叫んだから思わず息を飲み込んじゃった。
「その歌、完成させてから歌ったほうがいいよ!」
「でもリン、俺達が歌作ってる間、ミクねぇはなにしてんだよ」
「そんなの簡単!一緒に作ればいいのよ!」
「私も…作っていいの?」
「もっちろん!自分のプレゼントを自分で作るって思うとあれかもしれないけど、楽しいよ?歌を作るの!」
「いいねそれ!すごくいい!そうしよう!それでみんなで一緒に歌おうよ!」
「よっし!決定!」
みんなでパソコンの前に寄って、あの音がいい、このテンポは嫌だ、なんて言い合って、しばらくしたらお兄ちゃんがネギケーキ持ってきて、みんなで食べた。
それからまた続きを作って、いっぱい笑って、気付いたら寝ちゃってた。
起きたら朝で、リンとレンがばたばた仕事に出るのを見送って、パソコンを見てみたら曲がいつのまにか完成してたみたいだ。
お姉ちゃん達は、歌ってもいいよ、って言ったけど私はリン達が帰ってくるまで我慢する。
帰ってきたら、みんなで一緒に歌うんだ。
誕生日はもう終わったのに、まだまだ誕生日は続いてるような気がした。
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