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ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

誤字等気になることがあり
ましたら是非ポチっと。只今、
御礼文でヤンデレだらけ




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46というなんとも微妙な点をとったし体内炉が空回りしまくって異常気象大進行中かっこ局地的になっておるんで律さんのために頑張りましたよ!
ご覧のとおり頭が飛び降りてるのでおかしなお話になってます終わってないし。 


原作全部読んでないのにアリスもどきです。





琥珀色した紅茶、可愛いティーセットにショートケーキにシュークリーム、プリンにカステララスクにラズベリーパイ、バームクーヘンモンブランスイートポテトクッキーティラミスロールケーキアップルパイ!

なんて、なんておいしそうなの!

近くのアップルパイに手をのばしナイフを入れると、サクサクとした感触がします。
膨らんでいく期待をなだめて、ゆっくりとお皿の上に形を崩さないように乗せました。
手元の銀色のフォークを取り一口サイズに切ると、そこからシナモンのかかったとろけるような林檎が見えます。

もう耐え切れない!

フォークを突き刺し口元に運べば、口の中に広がるのは少々の爽やかな酸味と甘い甘い香りです。
柔らかく、しかしながら歯ごたえのある林檎を噛み砕いて十分に味わった後、ゴクリと飲みこ「女王陛下!」

突然の乱入者に、お茶会の和やかな空気が凍り付きました。
走ってやってきたのでしょう、息の荒くなった乱入者、ハートの7はハートの女王の大切な3時のお茶会をぶち壊しにしてしまったのです。
自分が踏んでしまった地雷をハートの7も気付いたのでしょう。庭園の扉を開け放った所で凍りついています。

「じ、女王陛下、申し訳あ
「首を」
 りぃっ…ぁ…?」

必死に弁解しようとしたジャックの言葉も聞き入れないで、異様なまでに温度の消えた声で命令をしました。そこにはさきほどまでの幸せそうな様子はかけらもありません。
パイを切り分けるよりもサックリと7の首を飛ばした鎌は、今はもうハートのAが何事もなかったようにかかえています。ただ、ぽたぽたとなにかが垂れていました。

静かになった庭園に、パタパタとした足音がやってきます。それに混じってカチャカチャという音もしますから、きっと白うさぎでしょう。

「女王陛下!一大事ですよ!」
「なぁに?私は今大事なアップルパイを台なしにされてとても怒っているのよ!こんなにインクの臭いがしているから、アップルパイが美味しくなくなってしまったわ!」
「それはそれは、さぞお怒りの事でしょう。ですが女王陛下!こちらも一大事なのです!」

「女王陛下がアップルパイのように可愛がっているアリスの、偽物が現れたのです!」





湯気の立ちのぼる川のほとりでアリスは目が覚めました。アリスは長い金色の綺麗な髪に綺麗な青の目をした女の子です。
しかし今、アリスの髪の毛は所々赤く汚れています。トマトスープの流れる川の近くで寝ていたのですから、それは当然のことでしょう。
アリスはキョロキョロと辺りを見回します。彼女は最後にベットで寝たので、突然トマトスープ川のほとりにいる事を驚いているのです。

「ここはどこかしら?それに、なに?このトマトスープ。私、あんまりトマトスープは好きじゃないのに」

アリスがぼやくと、なにやら不思議な声が聞こえてきました。

「なんだって!」「トマトスープが好き」「じゃないなんて!」「そんなの全く」「信じられ!」「ない」「あんなに!」「ステキな」「食べ物!」「はないのに」

なんでしょう、でたらめな所で区切った声は、まるで壊れたラジオみたいです。
アリスが振り返ると、川のすぐそこから森が広がっていました。森の入口、両側の木には同じ顔をした子供が二人、声を揃えず喋っています。
同じ顔をしているということは、彼らは双子なのでしょう。
アリスはあまり双子を見たことがなかったので、よく見ようと近寄りました。すると彼らは、アリスに話し掛けてきました。

「やあ」「アリス!」「その金色の髪」「はどうしたんだい!」「銀色から」「かえて!」「しまったのかい」「あの真っ赤なしろ!」「うさぎと揃いの」「目はどうしたん!」「だい」
「なにを言ってるの?私は銀の髪でも真っ赤なうさぎの目でもないわよ?」
「そう!」「だね」「確かに今の!」「アリスは違う」「ね!」
「ところであなたたちはだぁれ?私、こんなに言葉が揃わない双子は初めてみたわ」
「あれ」「れ!」「アリス」「今日は知らない!」「人ごっこを」「するんだね!」「それじゃあ」「始めましての人には!」「名前を教えて」「あげなくちゃね!」
「別にごっこ遊びをしているのじゃないけど。いいわ。あなた達の名前を教えて?」

アリスが聞くと、双子はうるさいぐらい大きな声でいいました。

「僕らの!」「名前は」「ダム!」「ディー」「君の!」「名前は」
「私はアリス。ねぇ、ダム、ディー。ここからどこにいけばお家に帰れるか知らない?」
「そんなの」「簡単すぎるね!」「アリスのお家は」「森の先!」「森に」「入らなきゃ」「始まらない!」「終わらない」
「森の先に行けばいいのね?ありがとう。あなたたち、ヘンテコだけどいい人ね」
「いい人だって!」「そんな」「まさか!」「僕たちはただ」「しの」「暗礁ができる!」「だけだよ」「なに!」「もしてないよ」「聞いて!」「みるかい」
「へぇ、すごい。私は『なんて小さな鰐さんが』を暗礁できるわ」
「僕らが!」「暗礁できるの」「は!」「『咳売りと」「大根』!」
「咳売りと大根?私、それを先生に教わったことがないわ」
「あれ」「なにかおかしい!」「たしか」「咳売りじゃない!」「いや」「咳売りじゃないはずさ!」「大根じゃないはず」「違うよ!」「咳売りは合ってたよ」「大根は当たってる!」「うそだ」「咳売りはね!」「大根が」「本当だって!」「違う」「関口だったよ!」「対抗だった」「大根は合ってる!」「関口じゃない」「関口だって!」「絶対違うね」

二人がアリスの右と左で言い争いを始めたので、真ん中にいるアリスもわけがわからなくなってきました。なにしろ、双子の声はおんなじなのです。

「あぁ、もう!なんだっていいわよ!もう私は帰るから、じゃあね!」
「対抗だよ」「大根だ!」「関口は」「ありえるよ!」「ありえるわけない」「咳売りだって!」「普通だね」「おかしい!」「どこが」「欠伸を売った方がいい!」「それはそうかも」「そうだよ!」

双子は森に入ったアリスに気がつきませんでした。
さようならがないことにアリスは少しだけ腹を立てましたが、暗い森の不気味さにそんなこともすぐに忘れてしまいました。
森は薄暗くて、それでも道の周りが時々思い出したかのようにぼんやりと光ります。
近付いて見れば、それは小さなキノコだということがわかったでしょうが、アリスはその光はチョウチンアンコウのおでこの先の電球に見えて、手を食いつかれたら大変、と思って近寄りませんでした。

森の中をどきどきしながら歩いていると、ぼやぁとした光に、猫の頭のシルエットが浮かびました。

「エイダなの?それともスノードロップ?ほら、そんなとこにいたらバクンとやられちゃうわ。こっちにおいで」

エイダはアリスの猫で、スノードロップはエイダの三匹の子猫のうちの一匹です。
アリスは心細かったので、猫の影まで小走りをしました。
しかしよくよく見てみると、猫の毛の色はエイダの黒でも、スノードロップの白でもない、紫とピンクのシマシマです。目玉も大きく、ニヤニヤと笑っている口からはギザギザの歯が覗いています。
中でも1番、エイダとスノードロップと違う所が、1番アリスを驚かせました。

「エイダはだれだいスノードロップはどれだい?イチゴの王冠もマシュマロの王冠もここにゃぁありゃしないのに。なにをお探し?だけどそっちにはあるかもないかも?」

猫は首から下がなく、すぐそこに尻尾がゆらゆらしているだけだったのです。

「きゃあ!なに、あんた!」
「あんた?どなた?そりゃああんた、トンマに決まってる。チェシャ猫はずっとチェシャ猫だよ。だけど時計がぐるり1回まわって半分もどって半分もどったころにはチェシャ猫はチェシャ猫じゃないけどそうしたらチェシャ猫は誰だろうね?」
「なに言ってるの?わけがわからないわ」
「わけがわからない?それはそうかもしれないしちがうかも。遠くで屁理屈言ってる隣人?お話で偉ぶってる林檎?」
「あんたおかしいわ!何がいいたいの?」
「決め付けるのはナンセンスだよ、アリス。チェシャ猫はチェシャ猫でチェシャ猫じゃないしアリスだってアリスのアリスじゃないアリスだろう?だってアリスはアリスのじゃないしチェシャ猫のでもないんだから。チェシャ猫だってチェシャ猫かもしれないよ?」
「もういいわよ!あんたはチェシャ猫ってことにしておくんだから!」

チェシャ猫の言葉を聞いてぐるぐるとまわるような気分になったアリスは、頭をぴたっと停めるために大きな声でそういったのです。
するとチェシャ猫のゆらゆらしていた尻尾もぴたっと止まり、代わりにお腹の方からゆっくりとシマシマの体がじわじわ見えてきました。
それにびっくりしてアリスがはっと息を飲むと、チェシャ猫はニヤニヤした口をもっとにんまりさせて言いました。

「やあやあ正解おめでとう。お礼にいいこと教えてあげる。この道ずっとまっすぐ行けば、あの子のお家にご到着。その道くねくね曲がって行けば、どの子のお家にご到着。好きな所に行っておいで。嫌いな所になるかもだけど」

言い終えると、チェシャ猫のニヤニヤ口も目も耳も顔もぱっと消えて、ゆっくり見えて来ていたシマシマの体もゆっくり消えて行きました。
アリスはチェシャ猫が何なのかまったくわかりませんでしたが、とりあえずまた森を歩き始めました。
道の周りは相変わらず時たま光ります。










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なにがなんだか!
とりあえずありがとうウィキペディア!

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