ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
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トラ/イガ/ンのプラントパロです。
プラントなカイトさんと研究者なシロイトさんとアカイトさん
プラントってなにさという方は、是非ト/ライ/ガンを読ry
そして設定を借りているだけで、ト/ライガ/ン本編とは全く関係ないという。
まぁ、なんというか、近未来ちっくな感じです
広大な部屋の中で、男は一人佇み それ を見ていた。
男の髪は純白で、それと揃いの瞳は彼が纏う白衣とも合間って人ではないような存在感を生み出していた。
光量がぎりぎりまで落とされた薄暗い部屋で、ぼんやりと見える球体。
大仰な機械に繋がれた、大人の背丈を越える大きさをした電球のようなそれは、つい先日発見されたものだ。
彼らの祖先が乗って来たと考えられる巨大な宇宙船で見つかったもので、よく似た形の残骸が動力部に残っていたこともあり、宇宙船の予備動力だったのではという見方がとられている。
だが、所詮本格的な研究前の仮説である。強力な兵器かもしれないし、本当に動力だとしても扱いきれないものはただの爆弾にすぎないだろう。
未だ世界に隠匿されたままのこれは、争いの種になるであろう事が容易に予想でき、男は一つため息をついた。
シュン、と空気が抜けるような音と共に、ガツガツと床を踏みならして赤髪の男が白い男へと近づく。
気性の荒さをうかがわせるような赤い瞳を持つ彼は、白の男と違って全く白衣が似合っていない。
その背後で再び音がして、扉が閉まった事を確認すると赤い男が白い男へと声をかけた。
「シロイト、船でまた新しいのが二つ見つかったらしい」
名を呼ばれた男はそこでようやく視線を球体から移し、振り返る。
「それも、ここに?」
「あぁ。もう移動させてるらしいぜ」
「メイトも手回しが早いですね」
「所長、目がきらっきらしてたからな。子供かよ、ってぐれー」
「そういうアカイトも、多分似たような顔をしてますよ」
アカイトはそう言われてはっとしてぺたぺたと確認するように顔を触る。
それを見てシロイトはクスリと笑った。
「まぁ、これを見て探求心が疼かない研究者はいませんよ。俺も、早くいろいろと調べてみたいですから」
「他のやつらが来るまでお預けなんだろ?めんどくせぇな」
「そんなこと言ってると、チームから落とされますよ」
「わかってるっての。でも、ちらっと触るぐらいなら許されんだろ」
「不発弾とかだったらどうするんですか?」
「こんな電球みたいな形した間抜けな爆弾あってたまっかよ」
「アカイト…」
そう笑って球体に近付いていくアカイトに、シロイトはやれやれといった様子で着いていく。
それを止めないのは、彼の先程の言葉の通りなのだろう。そもそも、彼は他の者達の到着が待ち切れずここにいたようなものなのだから。
先程とは打って変わって静かに球体に歩み寄ったアカイトは、その透明な部分に触れてみる。
温度は無く、硬質なそれは軽く指でノックすれば音叉のような音が小さく返ってくる。
ガラスのようなこれは恐らくその音色からして、船で窓などに使用されているものと同質のものだろう。いかなる方法でも傷を付けることができず、それは未だ製造方法も謎のままだ。
微かな反響を残して消えていった音に、シロイトが眉をしかめる。
「これは、動力部で壊れていたものと同形かもしれないと言ってませんでしたか?」
「…ああ、その可能性は高い。でもあのかったいガラスと同じってことは、」
「そうとう強力な力に壊されたようですね。着陸した衝撃によるものなのかもしれませんが、船の状況からは考えにくい。他に強力な兵器でもあるのかもしれません」
「それともなんだ、これは凶悪なモンスターやらの核とかで、そっから生まれた悪魔が内側から破ってったとか?」
「そんな世界だったら、俺達の職業は魔法使いにでもなってそうですね」
ふざけた調子でアカイトが言う。
それに合わせた軽口を吐くシロイトに、アカイトは驚いた。この副所長は堅物というわけではないのだが、自ら積極的におふざけに乗るような人ではないのだ。
見れば、シロイトも自分がいつもと調子が違うのに気付いたのだろう。苦く笑った顔がぼんやりと見える。
「やっぱ、研究者なんてやってるやつはガキばっかなんだな」
アカイトも笑って、球体の表面をなでる。
そのさらに内側にある球体は、今は暗くて見えにくいがおそらく純白なのではないかと思う。
丸くなったならば一人ぐらい余裕で入り込めそうな大きさのそれは、いったいどんな材質なのか、どんな機能を持つのか、アカイトの探求心を奮わせる。
このおそろしい硬度の外殻を介してどこまで調べられるのかはわからないが、それでも心は踊った。
早く他のメンバーがやってこないか、アカイトがドアを振り返った時だ。
ぼんやりした明るさが増した。
「……!」
シロイトの目は驚愕と未知への好奇心で見開かれており、注がれた視線の先を追ってアカイトも球体を見る。
いや、見るまでもない。
球体の内側が、ぼんやりと白く光を放っていた。
目を焼くほどではない。しかしはっきりと光を生み出す。
二度三度とゆっくり明滅し、やがて、その光の中に影が混じった。
ぐにゃりと美しい球形を歪ませ、それは外殻までゆっくりと伸びてくる。
アカイトは知らず、一歩踏み出していた。
両手を外殻にぺたりと触れさせると、彼の手に合わせるように内側から白い柔らかそうなものが張り付く。それが人の手の形である事に気付くのに、少し時間がかかった。
光るそれの内側を、アカイトは覗く。
いつの間にかその光量が増し、辺りを照らしたが、それは不思議と気にならなかった。
内側の影がゆっくりと外へ近付いてくる。
ついにアカイトの正面、視界で認識できる位置に来た。どんな化け物が出るのか、と身構えていたが、そこにあったのは、人の顔。
どこか、アカイトの頭の隅に違和感を残すものの、その違和感を掻き消すほどの、美しい青色の瞳があった。
それは、アカイトと同じように、内側から外を覗き込んでいるようで、しばらくじっとこちらを見た後、辺りに視線をさ迷わせる。
アカイトの後ろに立っていたシロイトとも目があったようで、しばらく彼を見つめていたようだが、しばらくするとまた何かを探すようにキョロキョロとし始めた。
だがその動きも止まり、困ったような青色がアカイトに注がれる。
気が付けば発光は止んでおり、最高級の彫刻のような上半身が薄暗い中でぼんやりと見えた。
その口が何か言いたげに開かれる。
果たして紡がれる言葉がアカイト達に理解できるものなのかわからなかったが、二人はなにもできずにただその未知の存在の動きを待った。
「…ぁ……、ぅ」
意味のなさそうな音を発した後、数回、喉の調子を確かめるようにしてからそれは改めてアカイトを見据えた。
「あの、マス ター、は?」
「マスター?お前の所有者ってことか?」
「これの使う言語が俺達のものと同じなら、そうですね」
二人の反応を見た青い目のそれは何かを考えているようで、シロイトはその人間によく似た動作を興味深そうに見る。
アカイトはその挙動にまた違和感が振り返したのか、彼は彼で首を捻っている。
「えっと、それじゃ あ、お腹減ってた り しませんか?他に、なにかいるものがあったり、とか」
「なんだ、急に…?シロイト、やっぱ微妙に使い方とか違うんじゃねぇか?」
「ちょ、ちょっと待って!俺、多分君達と同じ言葉使ってるよ」
「では、なぜそんな事を言ったか説明してもらってもいいですか?申し訳ないことに、俺達は君みたいな存在と始めてコンタクトをとったので、どう対応していいかわからないのですよ」
「え?君達って人間じゃないの?」
「人間だけど、お前は200年ぐらい前に墜ちた宇宙船から発見されてきたんだ。多分、お前の言う人間ってのは俺らよか前の時代のやつらだろ」
「そっか、200年…」
そう呟くと寂しげに俯いたそれは、やはり人間のようだ。
ほっておくとそのまま動かなくなりそうな予感がして、シロイトはそれに声をかける。
「それで、君は何なんですか?人間?」
その問いに顔をあげたそれは、苦く笑ってこたえた。
「まさか。俺は、ただの道具です」
「道具?」
「そう、プラント。人間に作られた、ありとあらゆるものを生産するための生体システム。光と、二酸化炭素と、水さえあればなんでも出せる」
「なんでも…って、さっき言った食べ物とかか?」
「もちろん。あと、お望みならばエネルギー自体も生産します」
「…光と、二酸化炭素と、水だけで?」
頷くそれに、シロイトの頭がくらりと揺れる。
人間に似た自立した意思のようなものを持ち、物理法則を無視できると堂々と言ってのけたそれはとても探求心をくすぐった。現に先程の言葉を聞いたアカイトは、20も過ぎたというのに子供のようにそわそわしている。
しかしどう考えても、人の手に余る力のようにしか思えない。
未だ越える事のできない過去のテクノロジーの、恐らく集大成であろうプラントという存在。
先程の予想が確信へと変わってしまい、シロイトはまた、ため息をついた。
プラントとか言いつつプラント要素がほとんどないよ!!
あ、ちなみに元ネタのプラントっ娘さん達はしゃべらないですよ
続きは書きたい感じなんですが、プラントっ娘さん達は衣類をなにも身に付けておられないのをどうするかが目下の問題であります
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