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ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

誤字等気になることがあり
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御礼文でヤンデレだらけ




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リクエストしていただいた、
カイトとルカでほのぼの・・・というよりだらだら?





ぽつ、と一つの音。
それにつられるように音が増えて、重なり、雨が降っていた。
最初の一音から大合唱になるまでを、ルカは部屋の窓から見ていた。
久々の休みに雨が降ったら普通はがっかりするのかもしれないが、ルカは元から家でゆっくりすごそうと考えていたため、予報外れの雨がぱたぱたと窓を叩いても、なんとなく窓をこんこんと叩き返してみるだけだ。
不規則な音を指先で追ううちに、音を捉えてから指先を動かすまでの差がルカの思考に引っ掛かり始める。
しばらくするとその引っ掛かりがひどく気になってきたので、音を返すのをやめてただ雨粒の一つ一つに耳をすませた。
そうしてみると、窓というのはひどく邪魔なものになってくる。
窓を開け放とうとするも、この部屋では雨が部屋の中に入ってきて服などが濡れてしまいそうで、どうすればよく聞こえるのだろうとルカは考える。できれば濡れない方法がいい。
ふと、リビングの事を思い出した。リビングの大きい窓は風向きからして雨が吹き込まないだろうし、開け放てば雨音はよく聞こえるはずだ。
軽い足取りで部屋を出てリビングへと向かうと、そこはすでに雨音に満たされていた。電気のついていない部屋は、雨が陽射しを遮ったせいで薄暗い。
窓は開け放たれていて、誰かが閉め忘れたのかと思いながら近付いていくとルカの視界に青が映る。

「…カイト?」

呼べば、カイトは閉じていた瞼をゆっくりと開き、どこかぼんやりとした目でルカを捉えると、あれ、どうしたの?とやわらかく笑う。
カイトは左右に広く開け放たれた窓の左側に背をもたれて床に座っており、自然とルカが見下ろす格好となる。
カイトにはそんなことないのだろうが、ルカはなんとなく気まずくなって口を開いた。

「隣、いいかしら」
「どうぞ。ちょっと冷たいかもしれないけど」

そう言われて、窓の右側に腰を下ろした。雨に気温を奪われたらしい床はカイトが言った通りひんやりとして冷たい。
視線でルカの動きを追ったカイトに、ルカはちらりと視線を返す。

「眠っていたのならごめんなさい。起こしてしまって」
「大丈夫だよ、雨の音を聞いてただけだから。ルカも?」
「ええ」
「いいよね、雨の音って」

カイトにならって窓に背中を預けると、ルカは雨が部屋にいたときよりも鮮明に聞こえるような気がした。
硬い道路を撥ねる音、木の葉を伝って土に染み込む音、縁に付いた水が集まって砕け落ちる音。
不安定な音階のそれぞれを聴力機関がすんなりと捉えて、丁寧に処理していく心地よさ。
余計な感覚を除くように、自然と瞼が落ちてくる。閉じた視界にはたくさんの音が並んでいた。
そこに、水のような音が混ざる。

「……雨の音って、歌えないのかな」
「…雨の曲を歌いはするけど、雨音を歌うのは聞いたこともないわ」
「だよね」
「マスターの実力しだい、というところなのかしら」
「歌えたらきっと面白いのに」
「でも、聞いている方はそうでもない気がするわ」
「たしかにそうだね。需要がなきゃ歌えないか」

カイトの残念そうな様子に、ルカはクスリと笑う。
そこで瞼を開き、開け放たれた窓の外を見る。
沢山の音が遊び回るそこは、いつもの空の向こうまで見渡せそうな景色ではなく、窓から向こうはなんの奥行きもない、絵画のように思えた。
ふとルカは、パソコンの内側から見る世界を思い出して、その思いを打ち抜くように窓の外に手を伸ばす。
ぽたりと窓枠の上部についていた雨水が手の上に落ちた。風が出て来たのか、雨と互いに打ち合ってざぁ、と音をたてる。

「それでも私も、歌ってみたいわ」
「じゃあ今度マスターに頼んでみようか。マスターいつ帰ってくるかわかんないけど」
「えぇ」

先程吹いた風がいくらか雨を部屋に運んだので、からからと窓を半分ほど閉める。
雨音は僅かに遠くなったが、止むのはまだまだ先のようだった。














ルカ・・・・?
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