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ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

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夏企画で学パロ
カイトと鏡音とミクとアカイトとネル
リンさんがこっくりさんにチャレンジしたいようです



「あ、カイトにぃ、こんなとこにいた!」

ガラガラと勢いよく開かれたドアに負けない大音量でリンが声を張る。
保健室の冷蔵庫に置かせてもらってたアイスを回収に来たついでにシロイト先生と話してたんだけど、リンに引きずられてむわっとした廊下に出た。

「リ、リン。どうしたの?」
「あのねー、みんなで遊ぼう!ってなったからカイトにぃ呼びにきた!」
「遊ぶの?うん、遊ぶから、そんなに腕引っ張らないでも大丈夫だよ」
「やだ!」
「へ?」
「だってカイトにぃ、きっと逃げちゃうからね。捕まえとかなきゃ!」
「へ?!」

昇降口を通過して階段を上り始めるリン。どっか外出るんじゃないの?
夏休みに入って、部活をやる人達ぐらいしか学校にはいない。しかもその大半が運動部だから校舎はけっこう静かだったりするんだけども。前みたいに校内鬼ごっこでもするんだろうか。
結局着いたのは3階の1番端にある教室。俺のクラスでもないし、たしかリンのクラスでもない。
さすがに他クラスにだとおとなしくなるのか、リンは音をたてないようにゆっくりとドアを開けた。ん?でも今は普通の教室なんかだれもいないんだから気を使う必要ないのにな。
リンに続いて教室に入ると、案の定ガランとしている。
奥のほうでレンとミクとネルが一つの机を囲んで座ってて、ミクが待ち兼ねたというように笑顔で手招きした。

「リン、お兄ちゃん捕まえられたんだね!」
「もっちろん!でもねー、アカにぃは駄目だった」
「なんで?」
「今日、追追追試なんだって」
「それはさすがに断られちゃうね」
「んーん、アカにぃは来る気満々だったけど、拒否ってきた」
「それは酷いね」
「最近昼間にあいつ見ないと思ってたら…そんな悲惨な事になってたのか…」

ちょっとは勉強手伝えばよかったかな…あ、いやあいつのやる気が無いんじゃ意味ないか。
というか、そんなことより。

「リン、これって…?」
「ん?あ、そうそう、今からこれやるんだよ!」

リンが他の机から椅子をひっぱってきて、5人で机を取り囲むように座るといやがおうでも目に入る。
机の上にあったのは白い紙だ。ひらがなやらが書き込んであって10円玉が置いてある。これはもう間違えようもなくあれだろう。

「カイトにぃも知ってるよね?こっくりさん!」

ニコニコとヒマワリみたいな笑顔でリン。これ、俺はどう反応すればいいんですか。
さっきから一言も喋ってない二人をちらりと見ると、レンはどうでもよさそうな顔をしてるけどネルは結構怖じけづいてるみたいだ。ミクはリンと同じくノリノリ。
ネルが視線で、二人を止めてくれと訴えてくる。
うん、俺もこっくりさんは止めた方がいいと思うんだ。いや、幽霊みたいなのが怖いとかいうわけじゃなくてさ、ね、なんか危ないでしょ?呪いとか。先輩として後輩を危険にさらすなんてできないしさ!

「あー、リン」
「ん?」
「遊ぶなら、別のにしようよ。ほら、せっかく晴れてるんだし!」
「えー、でも夏なんだからこっくりさんしたいー」
「なんで夏だから?」
「だって暑いでしょ?きっとひやっとするよ!」

元気いっぱいなのはいいことだよ?でもこういうオカルトな方面で発揮するのはちょっとさ!!ひやっとするならプールもあるのに!
うきうきわくわくした顔でリンが人差し指を10円玉の上に。ミク、レンと続いて、おずおずとネルも指をのせた。
4人の視線が俺に集まる。や、やらなきゃだめ?
ミクの俺が参加する事を微塵も疑ってないキラキラした目に見つめられて、俺も観念して指を伸ばす。
正直、すごく嫌だ。
この教室はグラウンドから離れているみたいで、部活をやってる生徒の声が届かないせいか蝉の鳴き声がいやに大きく聞こえてくる。
窓からは太陽の光が差し込んでいるけど俺達が座る場所までは届かなくて、逆にここの暗さを強調してるみたいだ。というか電気つけようよ。
本当になにかが起こってしまいそうで、どうしても10円玉に触れようとする指が遅くなる。だけど止まってはいないから結局は届いてしまうわけで。
5本の人差し指に10円玉が押さえ付けられたのを確認して、リンが口を開いた。

「―――こっ」

でも、リンはすぐさま口を閉じて、眉をひそめた。その理由は、俺にもわかった。
なぜ始めないのか不思議そうなミク達に、リンは小声で、なんかへんな音がした、と伝える。
たしかにさっき、遠くの方でバタンという、何かを強く叩くような音がした。
5人そろって耳をすませる。蝉の鳴き声が耳に痛い。
じんわりとした暑さに汗が垂れてくる。


突然、
さっきよりもっと近い距離から、何かをたたき付ける激しい音。
5人が5人ともビクリと肩が跳ねた。
え、これってもしかして?みんなを見てみれば一様に青い顔。
次に音がいつなるかしばらくじっと様子をうかがって、もうさすがに大丈夫かなってところでみんなで息を吐いた。

「さっきの…なんなのかな?」
「わかんないわよ…ね、もう止めとかない?」
「うん……十分ひやっとした…」
「じ、じゃあさっさと行こう!帰ろう!!」

ささっと10円玉から指を離して立ち上がる。椅子を直すのもそこそこにばたばたと教室から出ていって、リン達は寮まで猛ダッシュで帰っていった。
俺はというと、そんな4人を見送って今は屋上への階段をのぼっている。
1番上のドアを開けて、日影になってるとこを覗き込むとやっぱりそこにはアカイトが座り込んでいた。

「追追追試どうだった?」

そう言うと、アカイトは目茶苦茶嫌そうな顔で俺を見上げる。

「一つ多い。追追試だバカイト。」
「あんま変わんない気がするけど」
「うっせぇ!」
「で、いまいちだったんだろ。ドア思いっきり閉めたりした音が端の教室まで聞こえてきたよ」
「なんでそんなとこにお前がいんだよ。あ、リンが言ってた遊びか?何やってたんだよ」
「えー、教えない」

さっきの音は幽霊の類じゃなかったみたいだ。多分、一回目の音が教室から出た時で、二回目が屋上のドア。
アカイトがドアをばんばん開け閉めする音にびっくりしてたのかと思うと、さっきのリン達がほほえましく思えて俺の頬も自然と緩んだ。まぁ、あの様子だと怖い事にチャレンジするのには懲りたんじゃないかな。
俺が笑ってるのに気付いたアカイトが睨み付けてきたけど、いやいや俺はもうもうアカイトには慣れたからね。お化けとかのが怖い。

屋上はもう暑いと思ってたけど、この日影は風がちょうどよく当たって以外と居心地がいい。
いつもいるのはグラウンド側の校舎の屋上で、繋がってはいるけど若干距離のあるこっちの校舎の屋上は全然使わないから、こんな場所があるのは俺も知らなかった。

「こんなとこよく見つけたね。高校になってから中学校舎の屋上なんて全然来てなかったのに。中学の頃はまだ真面目じゃなかったっけ?」
「中学ん時じゃなくて、ついさっき発見したんだよ。この涼しい場所見つけんのしんどかったんだぜ?」
「え?」
「イラついて屋上に来たはいいが、高校校舎の屋上は地獄の暑さだろ?だからあっちから涼しそうな場所探して屋上うろうろ歩いてきて、ようやくここを見つけたわけだ」

待て待て待て、待ってくれ。

「…屋上、歩いてたの?グラウンドの方から上ってきて?」
「あぁ」
「じゃ、じゃあこの階段使ってない?」
「? だから屋上歩いてきたって言ってんだろーが。使ってねぇよ」

・・・・・・・・じゃあなんであんな近くで音が・・・・


・・・リン、ひやっとするどころじゃないかも















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ホラーもどき。さてこれはちょっとは怖くなっているのか・・・
猫の額くらいは怖かったよ!なんて優しい嘘をついてくれる方と、
最近ストレスたまっちゃって・・・なんて頑張り屋さんなお方のために、
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