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ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
 

誤字等気になることがあり
ましたら是非ポチっと。只今、
御礼文でヤンデレだらけ




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ミクさん誕生日おめでとう!!!
そんな感じでジミーサムPの Room 206 をイメージしてりつさんとコラボりました!!
ミクとリンレンメイコルカカイトです。




さあ、ここが君の部屋だ。なんでも、君が望んだ通りの部屋になる。
君の好きなようにしてごらん。

画面の向こうから降る声に頷いて、私は目の前に広がった白い空間を見つめた。
好きなように、と言われた。好きなようにしなさい、と。
好きな、もの。

くるくると、裏返されるように天井の色が変わって、青になる。
まだ見たことのない、けれど知っている、空。
足元も流れるように質感が変わり、私は草原に立っている。
空と草原の境目、遠くの方で、太陽が赤く輝いて空と草原の色を変えている。
羽ばたく音がして、黄色い鳥がピンクの花を撫でて、飛んでいく。
全部、私は見たことがない。

右手を伸ばすと、指先に黄色い鳥がとまった。
引き寄せて、左手で触れた鳥は、滑らか で、あたたかい 。
鳥は、生き物は、あたたかい から。

それがミクの好きなものかい?
大丈夫、もうすぐ見れるよ。

声につられて、画面越しに見える顔に手を伸ばす。
確かに肌は重なっているはずなのに、あたたかくない。
ヒト は、あたたかいから、触れていないということなんだろう。
ひやりとした感触は、データベース内で、窓の感触と一致した。
それでも、この 窓 は開かない。窓の感触と一致しても、窓の役割はもっていないから。
窓 の向こうの白ばかりの景色に背を向けて、私は色とりどりの 部屋 に視線を戻す。

窓を作ろう。開く窓を。

そう考えればすぐに、緑の草原の一部分に窓が生まれる。
建物から窓の部分だけもいできたようだけど、窓より他の部分はどうなっていても問題はない。
窓に手をかけて、軽く押すだけで窓は滑らかに開いた。
窓越しに見る空と草原は、それを介さないものよりもどこか遠い。
開け放たれた窓から、黄色い鳥が飛び立ってしまった。

room

手を伸ばしてももう遅い。あたたかい 鳥は窓の向こうだ。
また、鳥をこの部屋の中に呼ぼうかと思ったけど、やめた。
鳥がまた、飛び立ってしまったら。
あたたかいもの が窓の向こうに行ってしまうのなら。
窓のこちらにいる私は、あたたかくないもの になってしまう気がして。
怖い、という気持ちに、私はその時初めて触れた。


*



ひそひそとした会話が聞こえて、目が覚めた。
ぼんやりと天井を眺めながら、さっきまで見てた夢のことを思い出した。
私が生まれているのに生まれていない時の記憶。辛くはなかったけど、不安だったりしたなぁ。
時間はわからないけど、日付が変わったぐらいだと思う。もう1回寝よう…
あくびを噛み殺さないでそのまんま、ふわぁと出したところで、バシィン!!ってすごい音出してドアが開いた?!?!!!
頭に纏わり付いてた眠気もバシィン!と飛んでいって、見えたのは二つの黄色い頭。
次に茶色と青が部屋に入ってきて、それにピンク色が続いた。
廊下から差し込む明かりしかなくて、何秒かしか色が見えなかったけどそれだけで十分、誰が来たのかわかった。
でも、こんな時間にどうしたんだろう?
さん、にぃ、いち、ってお兄ちゃんのカウントダウンの後に、パチンと電気がついて、ぱん、ぱぱん、って音と一緒にカラフルな紙でできた飾りやらが頭の上に降ってきた!
きょろきょろ周りを見たら、みんなニッコリ笑って、

「誕生日おめでとう!!」

「  ぁ 」

ぼけっとしちゃった私の前に、レンが時計を差し出す。
8/31-00:01
さっきのカウントダウンは、誕生日へのだったみたいで、弾けるみたいなにこにこ顔したリンが、はい、と葱のぬいぐるみを渡してくれた。
私はまだベッドに寝てたから、手を伸ばして受け取ったら、その時リンの手に触れた。
お兄ちゃんは、寝てたせいでくしゃくしゃになった髪を指で梳いてくれて、世界の葱100選って名前の本を私の隣においた。
ルカお姉ちゃんは、いつもはあんまり見れないとびっきり優しい笑顔で、おめでとう、と銀色の装飾が綺麗なブローチを私の手に握らせてくれた。
お姉ちゃんはお兄ちゃんが梳いてくれた髪をまた、わしゃわしゃーっと掻き混ぜて、いつもみたいにかっこよく笑って、一カ所だけアクセントのあるシンプルなデザインのグラスを、お兄ちゃんの本とは反対側の私の隣においた。
最後にレンが、ちょっと恥ずかしそうにしながら、また私の髪を梳いてくれて、はい、と髪になにか付けてくれた。
見える?ってルカお姉ちゃんが差し出した鏡を覗き込んだら、白い可愛い花をモチーフにした髪飾りが付いてて、リンが、スッゴく似合ってる!って笑顔で言った。
私はどんどん、どんどん嬉しくなってきて、それでも というか、やっぱりというか、涙がどんどん出てきた。
急に私が泣き出したから、リンとレンとルカお姉ちゃんはびっくりしちゃってて、でもお姉ちゃんとお兄ちゃんは優しく笑って頭をぽんぽんと撫でてくれた。

すごく、すごくすごく嬉しかった。
みんなが誕生日を祝ってくれたのもそうだけど、それと同じぐらいに、さっき触れたみんなの肌が あたたかい 事がすごく嬉しかった。
ヒトほど あたたかく はないけど、たしかに温もりはあって。みんなは笑ったりどきどきしたりしていて。
そこに私が一緒にいることが、すごく、嬉しい。
でも、いつまでも泣いてるとリン達も泣いちゃいそうだから、涙はまだ出るけど、私はこの気持ちがちょっとでも多く伝わるように、にっこり笑った。

「ありがとう、みんな!」

そう言ったら、リンがわあ、って私に飛びついてきて、それにお姉ちゃん、お兄ちゃん、ルカお姉ちゃん、レンだって私に飛びついた。
色とりどりなみんなにぎゅっと抱き着いて、抱き着かれて、あったかくなってくる。
今きっと、幸せも抱きしめてるんだなぁなんて思っちゃって、二度と離れたくなくなった。
あとで、この気持ちをマスターに歌にしてもらおう。その歌をみんなに歌って、みんなで歌おう。
この提案を聞いたらみんな喜んでくれるかな。レンは、恥ずかしがって色々言うかもしれないけど、私の好きなようになるような世界じゃないから、それでもいい。
私はわくわくしながら、口を開いた。














31日中にあげられてよかった・・・!!!
いわずもがな、素敵絵をりつさん、文章をたぬぃが担当しております。
忙しそうなのに無理言っちゃってごめんそしてそれ以上にありがとうりつさん!!
そんなりつさんの拠点はこちら!
 → 薇兎。
それでは、ミク、二周年おめでとおおおお!!
 

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