ヤンデレからほのぼのまで 現在沈没中
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CMで見て衝動的に書きたくなったのです。勉強するつもりだったのに。
ウイルス映画のあの台詞を言わせたかっただけかも
カイトとメイコ
シリアス風味
いつもは美しい白に囲まれた空間も、すでに幾筋もの亀裂が走り、赤黒く変色している。
二人の立つ場所はかろうじて白さを保っているが、その白が赤に浸蝕されるのも時間の問題だろう。
「メイコ、ミク達は?」
「もうハクのパソコンに転送されたわ。だから私達も、早く」
焦躁に駆られた表情で、メイコはカイトの手をひきながらも転送の準備を進める。
ゆるやかに二人の周りを囲む空色の文字。しかしそれも迫る亀裂に近づくとすぐに掠め取られる。
二人は浸蝕する色から逃れるために走るが、その行為の無意味さを嘲笑うかの様に、破壊は広がっていった。
「あぁもう!転送式が上手く展開できない!さっさと動きなさいよ!」
「大丈夫だよ、かして。俺がやるよ」
苛立ちを募らせるメイコに代わり、カイトが操作を始める。
その間も浸蝕から逃げ続けているとやがて、かつて永遠にも見えていた空間の終わりが見えてきた。
不安げにメイコがカイトの顔を見上げると、できた、という声と共に、先程のものを上回る速さで文字の羅列が展開されていく。
その空色は赤い闇に捕われる事はなく、メイコが安堵の息をつく。
「よくやったわ、カイト。でもさっきはできなかったのに、どうやったの?」
「ん…あぁ、ちょっと」
言葉を濁すカイトに違和感を覚え、取り囲む文字をよくよく見ようとして、メイコは気付く。
「カイト!この転送式は一人用じゃない!なに考えて」
「だってもう、二人分の転送をするんじゃ間に合わない」
音も無く文字がメイコとカイトの間に現れ、ゆるやかにメイコを取り囲む。
美しい籠は、彼女を守るように構築され、掴んでいた手も空色によって阻まれたメイコの表情には、新たな絶望が浮かんでいく。
「カイト、カイト!今すぐ転送を中止しなさい!ここと一緒に消えるつもりなの?!」
「そんなことない。だって俺が消えたら、ミク達も、メイコもきっと泣いちゃうでしょ」
ふわりと、いつもと同じ笑顔のすぐ後ろまで、白は蝕まれている。
それに、と言葉を続けるカイトの足元から、ついに破壊が刻まれ始めた。
「ウイルス駆除とか、メンテとか。1番、俺が得意でしょ?だから俺ならなんとか脱出できるかもだし」
カイトが阻んでいるのか、彼の立つ場所から空間への浸蝕が止む。しかしそれの代わりとでも言うように、カイトの体に亀裂が走っていた。
それを見たメイコがカイトの名を呼ぼうとするが、息が詰まって声が出ない。
伸ばされたカイトの手が、涙をすくうように伸ばされ、メイコはようやく自分が泣いているのに気がついた。彼女の声を阻んだのは、涙だ。
しかしその手は澄んだ色の転送式に阻まれ彼女の涙に触れることはなく。また、その動作のうちに指先まで入った亀裂を目にとめてカイトも自らの手をひいた。
涙を拭えない代わりに、カイトがまた笑顔で、言う。
「大丈夫。これがおわったら、メイコに会いに戻るから」
「 、っ 、カイト !」
その笑顔にも亀裂が入り、奇妙に引き攣ったカイトの顔を最後に、メイコの視界がブレた。
家族の名を飲み込んだ空色の奔流によって閉ざされた世界は、僅かな時間を経てまた開け放たれる。
転送された先ではあの青は視界には入らず
静謐な白が広がるだけだった。
肝心の台詞もうろおぼえだったり!
たぶん、マスターのパソコンに超絶殺戮怪奇惨劇ウイルスでもはいっちゃったんだと思います。
うん、我ながら適当なネーミングだ。
++って、メイコじゃなくてエイコだった罠!
まぁ、いいよね…
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